塗料の種類と耐久性の比較
外壁塗装や屋根塗装はさまざまな種類の塗料があります。また種類によって金額も異なります。前回のブログで書いた内容で、良い材料で塗装すると塗装工事自体の金額は上がりますが、ランニングコストが下がり、トータル的にコストが下がるお話をしましたが、実際どんな塗料があるかを解説したいと思います。
前回ブログ資料:塗装工事の得をする外壁ランニングコストの考え方(クリックまたはタップ)
一般的に長持ちするという、高耐候性塗料や超高耐候性塗料になればなるほど、価格は高くなります。塗料は石油缶(一斗缶)1缶で8,000円くらいのものから100,000円を超える高価なものまで存在します。
ですが価格と耐久性が完全に比例するものではありません。高価なものだから長持ちするとも限らないのです。理由として、デザイン性に富んだ塗料や付加価値(汚れにくい超低汚染系や遮熱型・断熱型など)が付いていると高価になっていくからです。
もし、塗装を検討中で、塗装会社から提案があったときにカタログをもらったり、メーカーからカタログを取り寄せてカタログをめくってみると『シロキシサン結合からなる主鎖のシリコン(Si)にメチル基、フェニール基などの基が側鎖として結合した構造をもち…etc.』などといった具合に難しそうな専門用語が並んでいてまったく意味が分かりません。正直、私もわかりません。
特徴については『環境にやさしく、耐候性に優れ、外壁を強固に保護します』とどれを見ても似たようなことしか書いていません。『塗料がどれくらい長持ちするのか』を見定めるポイントとしては主成分、塗料の成分です。塗料の成分さえわかれば、大体どのくらいの年数持つのか大体検討がつきます。現在、住宅に使用されている塗料はその成分により大きく4つに分類することができます。
アクリル樹脂系・ウレタン樹脂系・シリコン樹脂系・フッ素樹脂系 |
この4種類です。右に行くほど耐用年数は長くなり価格も高価になります。
それぞれの期待耐候は、
アクリル樹脂系 | 5~7年 |
ウレタン樹脂系 | 10~12年 |
シリコン樹脂系 | 10~15年 |
フッ素樹脂系 | 15~20年 |
※あくまで目安です。塗料の商品によって、異なる場合があります。
大体このくらいが目安となります。他の塗装会社のホームページや外壁塗装などの資料を見て頂いてもほとんど同じことを書いています。
フッ素樹脂系は耐用年数はとても長いですが、価格がとても高価で戸建て住宅ではあまり用いられません。弊社のお客様でも年に1~2棟ほどです。アクリル樹脂系は一番安いですが、その耐用年数が短いため不経済になることが多く、最近ではほとんど使用されていません。
ちなみに30~40年前はウレタン樹脂系やシリコン樹脂系がまだ高価だったため、アクリル樹脂系を多く使用していました。昔でいう『ペンキ』はアクリル樹脂系だったのです。またそのくらい前の新築では工事費用の総額を抑えるためにアクリル樹脂系の塗料をよく用いらていました。
今はどちらかというと、アクリル樹脂系は加工しやすい・ほかの樹脂系の塗料になじみやすい観点から、下塗材の材料として、使用されています。
今、戸建て住宅の塗装工事・塗り替えに使用される塗料はウレタン樹脂系やシリコン樹脂系が一般的になっています。ただ『シリコン樹脂系だからどれでも10~15年は持つ』というわけではありません。
塗料を細かく説明すると、一液型と二液型があり、一液型は塗料缶を開けてそのまま塗装できるタイプ、二液型は硬化剤という材料を混ぜて硬化を強固にして耐候性を高めるものがあります。
また最近ではラジカル制御型という特殊な材料があり、傷みやすい顔料を技術で傷みにくく加工し、耐久性を増す塗料まであります。
参考資料:日本ペイントのパーフェクトシリーズ アステックペイントジャパンの超低汚染塗料
同じシリコン樹脂系でも1缶10,000円以下のものから50,000円を超えるものまでやはりピンキリで様々な種類があります。また専門的になりますが、JIS規定の促進耐候性試験の基準を参考にするのもひとつの手だと思います。
促進耐候性試験とは簡単に説明すると機械で塗膜にダメージを与え続けて、塗膜が何時間劣化しないで耐えられるかを測ったものです。
塗料の特徴と耐候年数
塗料名 | 特徴 | 耐用年数 |
アクリル樹脂系 | 耐久性は低く傷みやすい。こまめな手入れが必要。 | 5~7年 |
ウレタン樹脂系 | アクリル樹脂系と比べ耐久性・耐候性に優れる。 | 10~12年 |
シリコン樹脂系 | 価格と性能のバランスが良い。ウレタン樹脂系より優れている。 | 10~15年 |
フッ素樹脂系 | 耐久性は抜群。以前と比べ価格も低下しているが、いまだに高価 | 15~20年 |
JIS規定の促進耐候性試験の基準では
2500時間耐えられる塗料を『耐候型1種』
1200時間耐えられる塗料を『耐候型2種』
600時間耐えられる塗料を『耐候型3種』
と決まっています。2500時間耐えられる塗料『耐候型1種』が一番長持ちするということです。これはほとんどの塗料のカタログに載っていますので、耐候性を知るいい目安となります。ちなみに2500時間耐えられる塗料『耐候型1種』の塗料は最低でも10年もつと言われています。
また塗り替えはフッ素樹脂系のような耐用年数がひときわ長い塗料で塗ればいいというものでもありません。なぜならフッ素樹脂系の場合、耐用年数に至る前に塗り替えが必要になることがあるからです。
塗装はあくまで外壁面の表面に薄い膜をはるだけなので、家全体の構造的な歪みや下地の変形を塗装で食い止めることは不可能です。例えば木造のモルタルの外壁にはひび割れが生じてきます。そのひび割れの動きが塗膜の伸び率を上回ってしまうと、当然塗膜も割れてしまうのです。
それにフッ素樹脂系を塗って仮に20年間保護機能を保っていたとしても、外壁は長い年月で確実に汚れてしまっています。カタログに『低汚染』と書いてあっても促進耐候性試験と汚れは無関係なので20年たっても塗りたて同然かというとそうではありません。
全く汚れをきにしないのであれば別の話ですが、お客様から問い合わせ理由の多くが『ひび割れや傷み』の他に『汚れがきになった』というお話がとても多いです。ですのでせっかく保護機能を保っていても15年も過ぎれば見た目が極端に悪くなるので塗り替えが必要になるのです。
こういった理由でせっかく高価なフッ素樹脂系で塗っても実際には耐用年数に至るもっと前の段階で塗り替えが必要になることがほとんどです。弊社のお客様でもフッ素樹脂系で施工されたお客様のほとんどが15年を目安として塗装されています。
フッ素樹脂系は値段が高くその中に20年分の価格が詰まっていると考えると、実際には15年くらいで塗り替えが必要になるのでその意味では不経済かもしれません。
塗装会社にしてみればフッ素樹脂系塗料使った方が工事金額が跳ね上がるので、最近ではどこの塗装会社もフッ素樹脂系を進めますが、ウレタン樹脂系やシリコンで塗る方が長い目で見ても費用は少なくて済むと考えられます。
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